気づけた一年から、実践する一年へ

この記事は しょぼねこ Advent Calendar 2025 12/16の記事です。

今年は私にとって、組織における自分の立ち位置が大きく変化した一年でした。学校の生徒会での役職や、聖光祭における技術部門長という立場を任せていただいたことで、初めて人の上に立つという経験をしたからです。

そこで私が直面したのは、マネジメントの難しさでした。恥ずかしながら、実際にその立場になってみるまで、私はマネジメントというものを正しく認識できていませんでした。リーダーとは、皆を鼓舞して引っ張っていく存在なんだろうなぁ…といった漠然としたイメージはあったものの、実務として具体的に何をすべきかを全く把握できていなかったのです。

当初、プロジェクトが進む中でうまくいかない場面に出くわすと、私は無意識に他責的な感情を抱いていました。能動的に動いてくれる人は少なく、指示待ちになってしまうメンバーを見て、心の中で焦りや苛立ちを感じることさえありました。

しかし、活動を通して壁にぶつかり続けるうちに、ある一つの重要な事実に気づきました。メンバーが動かないのではありません。彼らが動けるような環境を、自分が作れていなかったのです。部下がパフォーマンスを発揮できない原因のすべては、リーダーである私自身の準備不足にあるという事実を認識しました。

人を動かす、仕事を割り振るということは、単にタスクを投げることではありません。一人ひとりのスキルセットはどうなっているのか、今どれくらいのキャパシティが残っているのか。それらを冷静に見極め、その人が無理なく、かつ能力を発揮できる適切な分量を整理して渡す。そこまで準備ををして初めて、仕事は人に依頼できるようなものになります。

また、締め切りを守らないという事象に対しても、見方が大きく変わりました。以前の私なら約束を破ったと相手を責めていたかもしれません。しかし、それは誤った考え方だと気づきました。締め切りが守られないのであれば、それは締め切りを守れるような現実的なスケジュールを一緒に考えてあげられなかった私の責任であり、ここまでに何をすべきなのか、という明確な目標設定をしてあげられなかった私の落ち度であると認識しないと、状況は何も変わらないと思い直しました。

私は今、リーダーの役割とは、広い視野を持ってプロジェクト全体の情報をすべて管理・把握することであると考えています。その上で、膨大な情報の中からメンバー一人ひとりに必要なものだけを選別し、整理して渡してあげることが何よりも大切であると痛感しました。

そしてもう一つ、人を率いる上で大切だと感じたことがあります。それは、言葉だけで指示をするのではなく、プロセスそのものを自らの行動で示すことです。スケジュールを適切に管理し、必要な情報を把握し、まずは自分が先陣を切ってプロジェクトを立ち上げ、動き出す。その一連の手順を背中で見せることによってのみ、メンバーはどう動けばいいかを理解し、ついてきてくれるのだと学びました。

今年、私はこれらのことに気づくことはできました。しかし、これらを息をするように実践できているかといえば、まったくそうではありません。頭では理解していても、行動に移そうとするとまだまだ己の未熟さを痛感します。問題をただ認識することと、それを踏まえて行動することの間には大きな壁があるのでしょう。きっと。

この気づきを単なるいい経験で終わらせず、自分の血肉として定着させ、息をするように実践できるリーダーになること。これを2026年の私への宿題とします。